時が止まった。オレがまばたきも忘れて固まったのと同様に、こいつ…… 姫路も頭を拭くポーズで硬直していて。

真弥「………えーと」

思い出したように冷や汗が噴き出した。

真弥「まず、誤解を解かせてくれ。オレは無実だ」

紗良「………………………………」

真弥「お前が風呂を使ってたことに気付かなかったのは認める。白状すると、お前が家に泊まってたことも忘れてた」

まだ、姫路は動かない。

真弥「これだけはわかってくれ。決して、覗きに来たわけじゃない。要するにこれはオレにとってもお前にとっても不幸な……」

紗良「……フフッ」

真弥「ハハッ、まったくな? 笑っちゃうよな」

紗良「フフフフフッ」

真弥「あはははははは」